No.036 営業パーソンに法律の知識はいらないのか?パート3

3部作3本目の今回は、「営業秘密」と纏わる法律についてお話します。

不正競争防止法という法律を皆さん聞いたことがありますでしょうか?

営業秘密を漏洩させた従業員個人に対して、民事・刑事上の措置や罰を決めるの法律であり、企業としては漏洩を防ぎ営業上の損害・被害を防ぐための法律です。

そこで、皆さんの意識を高めてもらうべく営業秘密と不正競争防止法について解説します。

営業秘密とは

まず、「営業秘密」とはどのようなものでしょうか?

営業秘密は、不正競争防止法において以下のように定義されています。

「秘密として管理されている生産方法、販売方法、その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないもの」(法2条6項)

営業秘密であるためには、以下に示す3要件が満たされている必要があります。

  1. 秘密管理性
    1. 秘密として適切に管理されていること。また、管理の意思が従業員にも示されている必要があるもの、情報にアクセスした従業員等が秘密であると認識できるもの。
  2. 有用性
    1. 有用な営業上又は技術上の情報であること、つまり広く商業的価値が認めらえる情報のこと。例えば、研究開発などで失敗した情報もこれにあたる。
  3. 非公知性
    1. 公然としられていないこと、入手可能な刊行物に記載されていない、あるいは情報の保護者の管理下以外では一般的に入手できない状態のことを示す。特許を取得して公開されている情報は文字通りこれにあたりません。

 

営業秘密に関わる不正行為と罰

営業秘密の不正取得、私用、または開示行為があった場合、それに対して不正競争防止法に基づき民事上および刑事上の措置を取ることができます。

  1. 民事上
    1. 差し止め請求
      • 営業秘密の侵害の停止、予防、これらに必要な行為の請求
    1. 損害賠償請求
      • 営業上の利益侵害相当額の賠償請求
    2. 信用回復措置請求
      • 営業上の信頼回復に必要な措置の請求
  1. 刑事上
    1. 被害企業による親告罪として告訴
      • 10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金(または両方)

 

具体的な情報漏洩の事例をいくつか挙げてみます。

  • 投資用マンションの販売会社の従業員が、勤務時に取得した顧客情報を使用し、退職後に設立した会社で営業活動等を行った(損害賠償請求)
  • 元従業員が、プロパンガス会社の営業秘密である顧客情報等を不正に取得し同業他社に開示した(刑事罰の実刑)
  • メールの誤送信により、2019年2月の会員権による宿泊実績情報2万7,763件が流出。会員名・会員番号・利用先宿泊施設などの情報が含まれていた。

 

営業秘密として法的保護を受けるための対策

経済産業省は企業が秘密情報の漏えいを防ぐために「てびき:秘密情報の保護ハンドブック〜企業価値向上に向けて〜」を作成して様々な対策を紹介しています。

ネット上にも、事例や対策に関する情報が豊富にあります。

自社の営業パーソンを初め従業員を守る意味でも重要となりますので、是非一度目を通してみてください。

 

まとめ

今回は、営業秘密と不正競争防止法についてお話しをしました。

営業秘密の流出により企業が被る損害は大きく、企業にとっては致命的にもなりかねませんので、企業自身が事前にできるだけの防御策を講じておく必要があります。

また、営業パーソンとしても自分自身そして自社を守るためにも、自社内の営業秘密の漏洩に対する対策がなされているのか常に意識しておく必要があるのではないでしょうか。

 

今回も最後までお読みくださり有難うございます。

 

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