No.027 ロジカルに考える力 – 確実に成果を出し続けている営業パーソンが持っている3つの重要なスキル ミニシリーズ第3弾 補足版
この記事では、営業パーソンが持っている3つの重要なスキルのうち第3弾の「ロジカルに考える力」について、前回お話ししきれなかった内容を補足版と題してお話しいたします。
前回の記事のおさらい
まず、前回の記事を簡単に復習しておきましょう。
まず、ロジカルに考える力こそがビジネスに関わる人すべてが持つべき重要な力であることお話ししました。
また、ロジカルに考えることは、答えるべき「問い」を立てることそのものであるとお話しました。
今回は、この内容を踏まえて、考えられる「問い」が複数ある場合にどのように優先順位を決めるのかについてお話しします。
「問い」の優先順位づけ
まず、問いを立てる人や立場によって視点や注目するポイントは異なります。
どのような問いに対して考えるべきか指示を出した人との合意が取れていれば問題はありません。
ですが、自ら判断する必要がある時にはベースとなる判断基準は持っておかねばなりません。
最もよく知られている判断基準は、下記の2つです。
・緊急度
・重要度
まず、「緊急度」は、言葉の通り今すぐに答えを必要としているのかどうかで優先順位を考える基準です。
営業パーソンにとっては、目標と現状のギャップをどのように埋めるのかは、比較的優先順位を明確にしやすいのではないでしょうか。
次に、「重要度」は、その問いの答え、すなわち問題解決が営業部門や営業パーソンの目的・目標にどの程度のインパクトがあるのかで優先順位を決める指標です。
ここで、一つ留意しておきたいことがあります。
仮に、考えるべき問いの緊急度と重要度がいずれも高い場合、最優先で取り組むべき問いと判断できるでしょうか?
営業パーソンの場合には、確かに目の前の売上目標の達成に向けた活動に重きを置きがちにはなることはやむを得ません。
一方で、営業パーソンの長期的なキャリアを見据えた場合、あるいは所属する部門全体の中長期的な改革プランがある場合には、緊急度は低くても重要度が高い「問い」に取り組む必要性が高いこともあります。
日々に追われがちな営業パーソンでも、常により長い時間軸の視点を意識して時間を作って、時間軸の長い重要な問いについて取り組むことも忘れてはならないと考えます。
「問い」の優先順位づけ2
他にも、下記のような2つの判断軸で問いの優先順位を見極める場合もあります。
・問いに対する答え、解決の実現性 = 実現可能性
・解決した時に得られるインパクト = 重要度
まず、解決した時に得られるインパクトについては、前述した「重要度」と同じ意味になります。
次に、「実現性」についてです。
これは営業パーソンや営業部門内で解決しうるのか、部署を跨いであるいは全社的に検討すべき問いと位置づけられるため実現するには時間もリソースもかかることが想定されるのか、のように取り組む必要のあるリソースの規模を踏まえて判断する基準です。
問いにたいして取り組むリソース多すぎると考えられる場合には、一旦優先順位を下げなければならないでしょう。あるいは、小さな「問い」に分解して取り組むことができないかを検討することも必要となります。
あるいは、問いの抽象度が高く具体的な答えに落としにくいと考えられる場合には要注意です。
その他の思考法
最後に、ロジカルな思考と補完する思考法と言われる「ラテラルシンキング」 を簡単にご紹介しておきます。
思考の制約となる既成概念や固定観念を取り払い、水平方向に発想を広げる思考法です。そのため、斬新でユニークなアイデアや発想に向いていると言われています。
企業では、特に他社との差別化が難しくなっており、ラテラルシンキングによる斬新な発想で競争に勝ち残るイノベーションを起こす必要性があるとの背景から注目度が高まっています。
ご興味ある方は、下記の本をご参照ください。
- NOロジック思考 (日本語) 木村 尚義 (著)
- 水平思考の世界 (日本語) エドワード デボノ (著), 藤島みさ子 (翻訳)
まとめ
今回は、成果を出し続ける営業パーソンが持っている3つの重要なスキルのうち第3弾の「ロジカルに考える力」について、前回お話ししきれなかった内容を補足版として考えるべき問いの優先順位の決め方についてお話ししました。
「重要度」、「緊急度」、そして「実現可能性」といった判断基準を持って自分自身で目的や狙いに応じて優先順位を決めて初めて、求めるべき問いの答えを求めて(課題解決のために)取り組んで行くことができるとお話ししました。
今回も、最後まで読んで下さり有難うございます。