No. 040 それでも飛び込み営業はした方がよいのか?

飛び込み営業は、古くて新しい。

飛び込みによる訪問営業は、特にBtoBでは非効率とされ面談を必要とする営業のリソースを如何に有効活用するかに焦点が置かれた戦略論や施策が非常に多く語られています。

そこで、今回は飛び込み営業はもう不要なのかどうかを前提にお話しします。

飛び込み営業の狙い

まず、なぜ飛び込み営業をするのか? について考えてみます。

結論を先に言えば、「情報を収集する」ためです。

 

インターネットが普及する1980年代中盤より以前は、電話、郵送メールさもなくば直接会うことが顧客とのコミュニケーションの手段でした。

1990年代以降、インターネットが社会に急速に普及してきたことで、顧客とのコミュニケーションの手段は電子メールやホームページなどの IT(Information Technologyの略)が中心になっていきます。

以降、ITの応用・進化し現在までITを軸とした顧客とのコミュニケーションにより、営業を中心としたあらゆる業務を如何に効率的に行うかにリソースが注がれています。

「情報」こそが事業の成功に重要な要素であるということの証左と言えます。

 

飛び込み営業の現実

飛び込み営業の目的は、情報を収集することです。

この情報収集は、営業パーソンにとっては成約に持っていくまでのプロセスの一つであり、次に繋げるための第一歩です。

つまり、少なくとも名刺を獲得し次のアポイントメント(面談の約束)を確約することが最低限の目標となります。

顧客との接点という観点でみると、電話、メール、ホームページなど顔が見えない手段と比べて直接顧客と会ってコミュニケーションが図れるという意味では、情報量が多く得られる可能性があります。

同時に、物理的に距離が近いことで顧客の警戒心や猜疑心の度合いは高まります。

そのため、ほしい情報を得るには敷居の高い営業手段といえます。

 

飛び込み営業で成果を出す3つのポイント

では、どうすればほしい情報を獲得し成約に近づけるのか、ここでは3つのポイントについてお話します。

 

1つめは、とにかく件数をこなす

自分の足と時間を使って企業や店舗に飛び込んで面談するわけですから、少しでも効率を上げる工夫が必要です。

この方法は、アポなしですから、先方は警戒心満載で対応してきます。

そのため、的確に訪問目的を売り込みではなくお役に立ちたくてお伺いした旨をお伝えし、なんだこいつは? という疑念が、少し聞いても良いかも? と思ってもらえるように、共感しそうなお話しやキーフレーズを使って「心のシャッター」を開けさせることが最も困難でチャレンジングな部分です。

「今忙しいから」、「今は間に合っている」、「大丈夫」、「必要ない」といって断ってくることが少なくありません。それが本当かどうかは別として。

お客様にしてみれば、自分のしていることを自己否定したくない、あるいは満足していると言い聞かせている心理状態かもしれません。

やはり、人間は「変化」を積極的に求める、受け入れる生き物ではありませんから。

 

そんな中で、コツを挙げれば、同じ店舗には複数回通うことでしょうか。

一度顔見知りになれば警戒心が薄れていきますので、売り込み以外の話題でコミュニケーションができる可能性は高まります。

もし、やる場合には、事前に訪問リストを準備し、カウントダウン方式で消し込んでいく方が、心理的にも良いかもしれません。

 

2つめは、決裁権限のある人に話を聞いてもらう

1つめのポイントにも関係しますが、1つ目が「量」視点であるのに対して、こちらは「質」視点。

飛び込み営業自体は、情報収集することが目下目標であると同時に最終的に成約に繋げる必要がありますので、そのプロセスを少しでも短くできる工夫が必要です。

決裁権限のある人、つまり企業であれば役職がある人、飲食など店舗の場合であれば店長かオーナー(経営者)と面談させてもらうことをめざすべきです。

予算の獲得や執行可否の決定権限がある立場の人のことですから、経営状態を認識し事業へのインパクトを見極める立場です。

決裁権限のある人に対して、共感しそうな事例をコンパクトに伝えて、顧客の売上や利益にインパクトがあることを感じてもらうようなコミュニケーションを図ることは心理的な障害を乗り越えるもう一つの重要なポイントといえます。

 

3つめは、事前準備

実は、これが最も重要だと私は考えます。

そして、ポイントの1つ目と2つ目にも通じることもあります。

訪問先の方々の心理的障壁を乗り越え、警戒心を緩めさせるよう対話することはかなり高度なテクニックであり、スポーツで言えば「イメージトレーニング」をしたうえで試合に向かうアプローチによく似ています。

イメージトレーニングを行う上でも、対戦相手つまり企業や店舗の特徴、個性である事業内容や業績、経営理念などを理解しておくことが不可欠です。

つまり、相手の置かれている状況を想像して、より望ましい状況を作るお手伝いができる可能性があることを端的に伝えて、興味・関心を引くつまり自分の戦いやすい場に相手を引き込むための武器を揃えておく必要があります。

その上で、初対面の顧客にぶっつけ本番で臨機応変に対応してジャブをかわし、フックをよけ相手の懐に入り込む。

準備してもしきれないといえるほど用意周到さが求められます。

 

やはり、他の手段と比べて飛び込み営業は営業パーソンの多くの時間が費やされかつ効率が悪いといわざるをえません。

 

まとめ

今回は、飛び込み営業はした方がよいのか?という点についてお話ししました。

飛び込み営業は、他の手段同様に情報を得ることが初期の目的であり、成約に繋げる顧客を見極めるプロセスの端緒となるとお話ししました。

飛び込み営業の3つのポイントをお伝えし、企業であっても店舗であっても、心理的障壁も高く、用意周到な準備と高度な対応力が求められることをお伝えしました。

忘れてはいけないのは、顧客自身が情報を収集することが出来ているため売り手と買い手の顧客との間に情報格差は無いどころか、顧客自身の方が優位に立っていることもありえるということです。

個人的には、営業手段としてはあくまで手段の一つであり、他の手段との優先順位をよく検討したうえで選択することをお勧めします。

 

置かれた環境としてやる必要がある場合には、良い機会ととらえましょう。

自分の「臨機応変力(英語で、improvisation)」を見極める機会にはなると考えますし、そのスキルを磨くことはできる場になります。

また、「エレベータピッチ(エレベータに乗っている15秒~20秒程度の短時間の間にプレゼンを行いビジネスチャンスにつなげるビジネストーク)」を考える機会にもなり、営業に限らず自社の魅力や価値を簡潔に伝える表現力を鍛えることができます。

他の営業手段と同様に用意周到な準備が必要であることは変わらないのですから。

 

今回も最後までお読みくださり有難うございます。

 

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