No.023 ドア・イン・ザ・フェイス
顧客にお願いしたことや提案した内容を中々受け入れてもらえないことに悩んでいませんか?
この記事では、この悩みを解決する方法についてお伝えいたします。
世の中はギブアンドギブン
営業パーソンの中には、お客様の言うことを鵜呑みにしてしまいがちな人もいます。
また、自分が提案した内容に自信がないために受け入れてもらえればラッキーと思ってしまうこともあります。
あるいは、お願いすることや聞きたいことの背景をちゃんと説明していないために期待する対応をして頂けないこともあるのではないでしょうか。
まず自分からギブしてますか?
こういった問題は、営業パーソンとしてではなくその人がギブアンドギブンの人間関係についての認識がないか、あるいは意識・無意識を問わず常に自分の利益を優先して言動・行動を選択する傾向がある場合によく見られます。
このギブアンドギブンの関係は、「返報性の原理」という心理現象とも非常に類似しています。
実は、身近な生活の中で直面することがあるのではないでしょうか。
友人にご飯を奢ってもらうと、次は自分が奢りたくなる
お土産をもらうと、今度は自分が渡そうと思う
電車で席を譲られると、今度は他のヒトに席を譲ろうと思う
つまり、他者に受け入れてもらえるかどうかといったことは、普段から自分から与えることを心がけているかどうかあるいはそのような感性を持ち得ているかが要因と言えます。
ドア・イン・ザ・フェイスも交渉の準備段階で見えているはず
こういった冒頭にあげた問題への対処の1つとして「ドア・イン・ザ・フェイス」という交渉のテクニックがあります。
このテクニックは、非常に有名で上述した「返報性の原理」を応用したものです。
中でも、このテクニックは、相手が譲歩してくれたら、こちらも譲歩しなければ相手に悪いと思わせる心理を利用して、最終的なこちらの希望を受け入れてもらうテクニックです。
このテクニックには、相手に満足感を味わってもらえるというメリットがあることが特徴です。
ただ、無理難題ともとれるような要求を提示して相手に不快感を与えてしまわないよう注意が必要です。
また、次も断ったら申し訳ないと思ってもらえている間にはじめより低く設定した要求を提示した方がよいでしょう。
あるいは、相手との関係性や交渉頻度を踏まえた上で効果的と思われる場面で活用し同じ相手には何度も使わないようにすべきです。
面談の準備の段階で、顧客の予算状況、納得状況、あるいは競合の出方などを考慮してどのような提案・交渉をすべきか双方のやりとりを想定しておくことがそもそも不可欠と考えます。
そうであれば、どのような場面で譲歩が必要かどうか考察・準備があるはずで、それ自体がこのドア・イン・ザ・フェイスのテクニックの活用に他なりません。
まとめ
今回は、顧客にお願いすることや提案した内容を中々受け入れてもらえないという悩みを取り上げました。
このような問題への対処の1つとして「ドア・イン・ザ・フェイス」という交渉のテクニックがあることをご紹介しました。
いくつか活用の注意点もお話ししました。
そして、そもそも提案や交渉が想定される面談にはそれに向けた「準備」が不可欠であり、その中でこのテクニックが必然とも言えることも加えてお話ししました。
今回も、最後まで読んで下さり有難うございます。