No.045 初回面談で商品・サービスの話はしてはいけない?
苦労してコールドコールの末やっと調整した新規顧客の初回面談で、自社の会社案内をしながら顧客が気になる点がないかと反応を見てみたものの興味なさそうなまま次の具体的なアクションもなく面談が終わってしまった経験はありませんか?
今回は、面談時のアプローチに関する基本的なお話しをします。
コールドコール時点で面談の目標は設定されている?
コールドコール(Cold Call)、すなわち飛び込み電話営業で面談の機会を獲得するには高い営業スキルに加えて労力と時間が必要であることはこれまでにお話ししました。
例:No. 040 それでも飛び込み営業はした方がよいのか?
営業は、なんといっても顧客接点から始まります。
では、接点ができれば契約成立そして販売までたどり着けるでしょうか。
予期せず丁度良いタイミングで接触したことで契約成立となることはありえます。
同時に、ほとんどの場合はその限りではありません。
顧客は、日々様々な視点に立ち、現在取り組んでいるプロジェクトや業務をより早く、効率よく遂行することができないかと思い悩んでいます。より正直に申せば、面倒だ、もう少し楽したいという気持ちも抱えながら職務上の目標そして個人的な人生の目標に近づくべく努力している人もいるでしょう。
なぜ、こんな話をしているのか?
どのような顧客のどのような職務や業務であれ、そこには目的(なぜそうするのか?)と目標(目的達成の指標)がありそこに向かって前進しています。
その際、刻々と変化する環境の影響を受けて様々な障害に直面します。つまり、与えられた期日やリソースなどの制約条件下で期待通りに目標にたどり着くことはありません。
とすれば、「不満」「不快」あるいは「不安」の気持ちが生まれているかもしれません。
同時に、「話を聞いてほしい」「現状を理解してほしい」あるいは「どうすれば現状を打開できるのか」「何かよい手立てはないものか」「だれか、何かの助けを借りられないか」と考えている可能性もあります。
自分の置かれた状況に満足していてそれ以上なにも望まないという状況であり続けている顧客は中々いないのではないでしょうか。
では、顧客があなたとわざわざ接点を持つ必要はあるでしょうか?
答えは、「必ずある」です。
なぜならこの望ましい状況を作り出すのに、必ずしも答えは社内にはないからです。
初回面談を成功裡に終わらせるには
では、顧客と初めて接点が直接面談だった場合には、どんな面談にすればよいでしょうか?
顧客は、わくわくした気持ちで面談を迎えているでしょうか?
もちろん、その可能性もあります。
営業する側としては、そうではない可能性も十分あると想定して面談に臨むべきです。
例えば、小学校の同窓会で音信不通だった同級生に15年ぶりに会ったとすれば、「元気だった?」とか「何してた?」とどちらかが口火を切るのではないでしょうか。
名前と顔が知れている相手でさえ、会話のきっかけとなる情報が少ない場合にはどちらかがまず相手の状況を聞くことでしょう。
初めてお会いする顧客に対しては、「忙しさ」や交換した「名刺」などを端緒に、まずは顧客の置かれている状況を把握すべく話を広げて深堀りしていくことが始めの一歩です。
あとは、時間配分の問題。
全体の時間の10割を聞き続けるのは双方しんどくなりますので、同じ境遇だと思える話が出てきた時には自分の小話を入れてみましょう。
自分の話をするのが苦手だという方、ご心配には及びません。
自社を一言で説明できるキャッチコピーや自社の商品・サービスを導入することによる顧客の便益、ビジネスインパクトなどを、顧客から出てくる話題やキーワードに関連させて紹介してみましょう。
いわば、「リアルタイムCM」です。
こういった表現であれば、端的かつ短いフレーズで覚えやすいでしょうから事前に準備できます。
仮に顧客が初回面談の中で具体的な課題を口にすることはなく面談が終わるとしても、敢えて商品・サービスを紹介することは控えておきましょう。むしろ、その時を待つべく出し惜しみすべきです。
大事なのは、話を聞いてくれる人がいる事そしてキャッチフレーズが顧客の頭に残ることの方です。
次に面談をする時にキャッチフレーズを覚えていてくれて、
「あれでしょ、なんか労務管理を劇的に楽にしてくれる会社でしょ?」
とか
「確か、集客を今までの1/3のコストにしてくれるんでしょ?」
と言ってくれたらこっちのペースであることの証左です。
自社で解決できるような顧客の課題があるかどうかを色々な角度から積極的にヒアリングをしましょう。確かに課題を認識していることが確認できた所で初めて
「実は、弊社の。。。」
と、自社の商品・サービスをご紹介しましょう。
まとめ
今回は、初回面談で商品・サービスの話はしてはいけないのか?という問いを立ててお話ししました。
初回に会う相手の状況を考えれば、まず展開する会話は顧客の状況を掴むことにつきることを、日常を例にお話ししました。
実際の面談の際に大事な事は、話を聞いてくれる人がいる事そしてキャッチフレーズが顧客の頭に残ることだとお話ししました。
商品・サービスの紹介は、本当に顧客に紹介するだけの価値、つまり真剣に解決したい問題がある(顕在化している)と顧客と確認できた時まで隠しておく武器にしておきましょうとお話ししました。
分かっちゃいるんだが、という方は、一つ出来ることがありますので試してみて下さい。
同僚に、15~20文字のフレーズで自社を説明してみましょう。
「 〇〇 の会社です。」
「 △△△ をやってる会社です。」
と。
大抵は会社案内の最初の方に書いてあります。あるいは自社ウェブサイトの社長挨拶の部分にも。
今回も最後までお読みくださり有難うございます。