No.030 営業効率向上に不可欠な営業プロセスの管理とは?
この記事では、営業活動が属人化しており、個々の営業パーソンのスキルや経験に左右されているため、営業効率を高めることが難しいという悩みを解決する方法についてお伝えいたします。
営業効率の改善を阻害する要因
この記事の中では、チームを構成する営業パーソンが持つ各営業目標の合算がチーム管理者の持つ営業目標となる想定でお話しを進めます。
今日現在でも、営業部門の業務を一連の営業プロセスとみなして整理し、成約に至るまでの業務を管理(いわゆるパイプライン管理)するに至っていない企業もあるようです。
あるいは、営業パーソンの能力を引き出す立場の管理職が顧客を抱えプレーヤーになっているために個々の営業パーソンに寄り添ってフィードバックしたり、課題に対する改善策や打ち手を考えたり、アドバイスする機会が持てていないということも営業効率を高める上で阻害要因になっているケースもあります。
あるいは、営業パーソンの会社への思いや上司や同僚との関係に起因して、本人のモチベーションがうまく維持・コントロールができないために成果が出にくいこともあるかもしれません。
その他様々な要因も考えられますが、ここでは部門としてできることに注目してみます。
営業効率を高めるとは?
そもそも、敢えて営業効率を高める必要があるのでしょうか?
事業環境を考えれば、企業の規模を問わず営業部門の皆さまはこれまで以上に現状のリソースで生産性を高め成果を出すことが求められることは感じていることと思います。
そのためにも、問題を素早く整理しどう対処するのかを考え仮説を立ててトライ&エラーを実施することがが大事になってきます。
No.026, No.27の記事でも書きましたが、そのためにはロジカルに考える力を個々人だけでなく組織としても活用しなければいけません。
(No.026 ロジカルに考える力 – 確実に成果を出し続けている営業パーソンが持っている3つの重要なスキル ミニシリーズ第3弾)
(No.027 ロジカルに考える力 – 確実に成果を出し続けている営業パーソンが持っている3つの重要なスキル ミニシリーズ第3弾 補足版)
つまり、営業部門もご多聞に漏れずROI(費用対効果)の向上、そこに直結する営業効率の向上が求められているわけです。
的確なアドバイスで営業パーソンの営業効率を高めよう
繰り返しますが、モデル化により自社の営業プロセスを整理・標準化して、速やかにかつ的確に課題解決に取り組むことができる状況を作ることが重要です。
そのためにも、現状を把握するべく営業プロセスの各フェーズ(またはタスク)を定義し、其々に対して基準となる目標水準を設けて状況、達成度や変化をとらえやすくするようにしましょう。
具体的には、パイプライン管理の手法がよく使われます。
多くの場合、顧客の問い合わせから受注に至るまでのステップを定義し可視化することで分析し適宜改善に活用する管理方法です。
参考までに、営業プロセスの例を一つ上げます。
問合せ ⇒ 初回面談 ⇒ 課題顕在化 ⇒ 見積提案 ⇒ クロージング
この管理方法の効用としては、大きく2つあります。
1つめは、本来の目的でもある的確なアドバイスができるようになることです。
営業活動そのものの量に加えて活動による1つのステップから次のステップに遷移する割合を定量化できるので、アクションとその結果を評価しやすくなります。
このようなデータを営業パーソン毎に確認することができれば、チームを管理する立場の人にとっては、比較検討するだけでなくうまくいっている営業パーソンの活動内容を他の営業パーソンに応用して改善を図るといったことが効果的に行えます。
あるいは、チーム・部門全体に渡る可能性がある課題を見出すことも可能になります。
2つめは、マーケティングや販促にも活かせるということです。
案件の受注に繋がった顧客がどのように自社にたどり着いたのかを把握できます。これにより、受注に繋がりやすい顧客接点がどこかを見極め集中投資により効果の高いマーケティングを実施するといったことが出来るようになります。
更には、データ及び仮説に基づいた営業施策或いはマーケティング施策を仕掛けてその効果を検証することも可能になります。
もちろん、言葉通り「モデル化」しているわけですからプロセスを100%再現することを目指すのではなく、6割、7割程度から始めていくので良いと思います。
よりベターを目指していく姿勢の方が、大事です。
まとめ
今回は、営業活動が属人化しており個々の営業パーソンのスキルや経験に左右されているため、営業効率を高めることが難しいという悩みを取り上げました。
組織的に営業活動の属人化からの脱却ができてないことで営業効率が挙げられていない点や営業パーソン自身でも効率化を阻害する要因を抱えている点をお話しました。
効率を語る意味では、組織的に取り組むべきこととしてパイプライン管理という手法による営業プロセスの見える化を実施する事が第一歩であり重要であることをお話ししました。
そしてそこから見えてくる課題に対する打ち手・対策について営業部門やチームの管理者が的確にアドバイスできるようにすることが営業効率向上につながることをお話ししました。
この見える化を自力でExcelを活用することも可能ですし、salesforce cloud や eセールスマネージャーなどの営業支援ツール(Sales Force Assistant)などのツールを活用する選択もありますが、ここでは詳細は別の機会にお伝えできればと思います。
今回も、最後まで読んで下さり有難うございます。