No.005 なぜ営業戦略を立てても成果につながらないのか
特に、チームリーダーあるいは営業部門の管理職の皆さまにとっては、自分のチームにとって成果につながる有効な営業戦略が立てられない、あるいは立てても実行が伴わないことに悩んでいませんか?
この記事では、この悩みを解決する方法についてお伝えいたします。
営業担当者だけでは営業戦略からの成果は得られない
まず、営業戦略とはなんでしょうか?
営業戦略は、業を営む上で達成したい目標をどうやって達成するのかその仕方、方法ということができます。言葉を素直に見れば、事業戦略とほぼ同義です。
一般的には、営業を販売と同義と解釈し、営業戦略は経営戦略やマーケティング戦略の一部として使われます。
営業部門は、営業戦略のもと、解決したい同じ課題を持つ一定数以上の顧客・企業に対し、自社が持つ有限のリソースを振り分けて効率良く課題を解決することで部門の目標つまり売上を達成すべく営業活動を行う組織です。
そして、営業(人員)は、お客様の状況、お客様との面談から見えてきた課題の有無、顧客社内の意思決定関係者からの補足情報等々を得て、次の打ち手をよく検討した上で、案件成約に近づくために行動し最終的に営業目標を達成すべくする活動する営業部門に所属する人員です。
営業戦略に関して見落としがちなポイントは、それに基づく実行段階で多く見られます。
一つ目は、特に多いケースですが、この打ち手の実施、結果の検証、次の打ち手の検討、次の打ち手の実施のいわゆるPDCAサイクルが営業担当者まかせになっていることです。主な理由としては、部門で各営業の進捗を管理する仕組みができていないことがあります。
二つ目は、管理者も顧客や案件を持っていて進捗管理体制がうまく機能していないケースです。これも、リソースが十分でないと認識している営業組織によく見られます。
会社の文化として、よほど自律性を重んじ、自己責任の範囲で状況把握ができる営業人員ばかりの部門組織ででもない限り、状況把握ならびに個々の人員の指導、アドバイスにより目標達成という第一義的責任を果たすべく管理職がいます。にも拘わらずその管理職務が機能しない状況をつくっていたりします。
三つ目は、営業戦略に合わせた進捗管理、未達状況の人員に対するアドバイスや指導のための中間指標の測定もできているのに、成果にしか関心がないために仕組みが適切に利用されていないケースです。
その他の理由には、以下のような点も挙げられますが、改めて別の機会に取り上げたいと思います。
- 案件の管理が徹底されていない
- 営業支援ツールの未整備
- 営業戦略立案の必要性や意義に関する理解が不十分
- 会社の競争力とその根源に対する認識または理解が不足している など
成果を出すための営業戦略の立案と運用
営業部門として営業戦略を計画する際は、最終的に求められる事業目標に沿うよう部門、チーム、そして担当者レベルでの目標が設定されます。
また、成約までの営業プロセスの進捗状況を把握するべく、中間指標が設定されます。更に、営業プロセスの各工程における顧客とのコミュニケーションツール、つまり営業支援ツールも準備・作成されます。
チームを率いる立場の人間には、各担当者の活動内容や活動のレベルをモニターし、中間指標やコミュニケーションツールが営業戦略と整合しているかどうかを確認したり、より確実に案件の前進そして成果を得るための材料となるようなアドバイスすることが求められます。
このように、担当者とチームを率いる立場の人が伴走しながら効果的かつ効率よく成果を出すべく共に行動することが望ましい体制ではないでしょうか。
まとめ
今回は、営業戦略を立案したものの有効に活用されず成果につながっていないという課題を取り上げました。
それに対し、当たり前ではありますが、営業担当だけにまかせるのではなく、営業管理職の関与を高めきめこまやかに営業活動を支援、敷いては戦略との整合性を見直す仕組みの必要性についてお伝えしました。
営業戦略に関する課題は、組織の問題、営業支援環境の問題、担当者の資質やスキルの問題、上長との信頼関係の問題など多岐に渡るため、一つのブログのなかですべてをお伝えすることはとてもできません。
今後のブログでも様々な視点から取り上げてお話ししていきたいと思います。
今回も、最後まで読んで下さり有難うございます。